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競馬コラム

2014年01月29日(水)更新

ノヴェリストを買った天才の判断について


 昨年社台がノヴェリストという種牡馬を買ったのは非常に大きな事件だったと思う。

 ノヴェリストの父モンスンはシロッコをはじめ多くの活躍馬を出している種牡馬で、コンスタントに能力を伝えることはわかっている。また日本で走った産駒は1頭だけだが、その1頭のピュアブリーゼがオークス2着だった。

 ただし父系がブランドフォード~パーシャンガルフ系という超マイナー血統なのである。ちなみにブランドフォード系はロイヤルチャージャーやナスルーラ誕生のベースになった重要な血統だが、いわゆる"重い"血統のため、ドイツ1国で父系をつないではいるものの、日本はもちろんのこと世界的にもほとんど絶滅寸前なのである。

 こうしたマイナー血統は、血統ファンにとっては垂涎の存在である。というのは、誰でもそうだと思うが、血統に詳しくなっていく過程で、こういう重要な血統がたやすく消えてなくなってしまうことがなぜなのか、不審に思う。そういう思いが、生産者が勉強不足で自分だけがわかっているような錯覚を起こさせる。それがますます血統にハマるのを加速させるのだと思う。

 だが当然のことながら、そう考えているのは競馬ファン以上に実は生産者なのである。そのためマイナー種牡馬の購入という誘惑は(経済的に買いやすいこともあり)、生産者が陥りやすい罠の一つである。そうやって輸入してきたマイナー種牡馬のほとんどがこれまで成功していないことがそれを物語っている。

 ノヴェリストにしても、もし日本への輸入が5年前だったら、ほぼ9割方失敗していたと思う。その理由は簡単明瞭明白で、日本の馬場には重すぎたからである。

 ところが最近は少し事情が変わってきた。このコラムが始まって以来ずっと書いてきたことだが、近年馬場造園課がシャタリング等の新しい整備技術を使い、芝を軟らかくすることに成功した。

 一方、社台は種牡馬ビジネスにおいて、これまで非常にクールな商売をしてきた。彼らだってマイナー血統への誘惑を感じなかったはずはないと思うが、それを断ち切って、成功する確率を求めてその時代の先端を行くメジャー血統の獲得に経営資源を注いできた。言うならば本命買いで勝ち続けてきた。

 その社台が今回ブランドフォード系の種牡馬を買った。これは一見奇手のように見えるが、ぼくは社台の総帥・吉田照哉さんのことを、買い物の天才すなわちギャンブルの天才であると思っている。考えてみると、今日の社台の成功にもっともストレートに貢献したのは、彼がノーザンテーストとサンデーサイレンスを買ったことではないか。

 その彼がブランドフォード系の種牡馬を勝算抜きで買うはずがない。おそらく彼は近年の日本の芝の変化を見たのだと思う。そしてそれがギャンブルするに足る材料だと判断したのだと思う。

 この話は次回に続きます。



「コースの鬼!コースの読み方&全GⅠ解析編」
の増補改訂版発売のお知らせ




▲増補改訂版 コースの鬼! コースの読み方&全G1レース解析編 (競馬王新書EX004)


(株)ガイドワークスから「コースの鬼!コースの読み方&全GⅠ解析編」の増補改訂版を、11月22日に発売いたしましたので、この場をお借りしてお知らせします。

 同書籍は2007年に初版を出したのですが、それから6年の間に馬場作りが大きく変わりました。そこで今回の改訂版出版に当たり、最新の馬場を理解する上で必要なところ、不足なところを書き足し、大幅に改稿することにしました。

 6年前と現在の馬場の違いは、当時はまだ試験的に使われ始めた段階だったエクイターフが本格的に導入され、芝のレベルがエクイターフ品質に変わったこと。またシャタリングマシンが導入されて芝の路盤が軟らかくなったこと、ダートの粒度分布が研究されて、砂厚の割に速い組成に調節されるようになったこと…などです。

 それらには、このコーナーで何回か触れた事項もあるし、ダートの粒度分布の解説など単行本で初出のものもあります。そうしたアップトゥデートな事項については可能な限り取材し直して書き足しただけでなく、6年たって多少は進歩した(と思われる)現在の自分のレベルに照らし合わせて全事項を吟味し直し、書き直しました。

 自画自賛ですが、初版を読んだ方にも再読可能な内容になったと思いますし、わかりやすい馬場の入門書に仕上がったとも思っています。本コラムを通じて馬場に関心をお持ちになった方は、この機会にぜひ単行本も読んでみてください。




プロフィール
城崎哲

1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰める業界屈指の取材力を持ち、 JRA馬場造園課など独自のコネクションも数多く築いている。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。

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