昨年8月の落馬事故で大けがを負った三浦騎手が、1年ぶりにターフに帰ってきました。しかも、復帰初週から3勝の大活躍。三浦騎手の復帰に賭ける思いや喜びが爆発し、先の活躍につながったのかもしれません。それだけではなく、三浦騎手の復帰に合わせて、いつも以上に騎乗馬が熱心に仕上げられていた可能性もあるでしょう。
ただ、ここで注目したいのは、8番人気のドリームキラリに騎乗し3着に逃げ粘ったエルムSです。とにかく逃げないと持ち味を活かせない馬なので、ハナを奪ってマイペースに持ち込んだことが好走の要因であることは間違いないですし、初めて着用したブリンカーの効果もあったのかもしれません。でも、それよりも大きな好走の要因は単勝1.5倍の圧倒的1番人気のテイエムジンソクの騎乗にあったと思うからです。
テイエムジンソクは前走のマリーンSで先手を主張するドリームキラリを全く気にも留めずハナを奪って逃げ切ったのですが、今回は番手でドリームキラリを馬なりで交わせそうな手応えだったにも関わらず、かわいがり過ぎてしまった印象があるからです。
勝負に情は禁物とはいえ、人間同士のすること。テイエムジンソクの鞍上の古川吉騎手は、復帰したばかりの三浦騎手に競りかけることを心苦しく思った可能性もありそうです。
樋野竜司
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。
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樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。