先週に引き続き武豊騎手を取り上げたいと思います。というのは、武豊騎手が札幌に参戦するとなれば、それに合わせて依頼が殺到すると思うのですが、WAJSで騎乗する4鞍以外の依頼は2鞍しかなかったからです。
そして、その理由は武豊騎手が勝ち星的にWAJSに選出されるか微妙だったからではないでしょうか。さすがに出場が確定してからじゃないと依頼はできないからです。
実際、選出確実だったルメール騎手や戸崎騎手、その日短期免許で騎乗することが決まっていた(内定もされていたと思いますが……)モレイラ騎手、6月の地方予選を勝ち上がった中野騎手には多くの依頼が集まっていた。
出場騎手の発表は8月7日だったので、これを逆に考えるとトップジョッキーに騎乗依頼しようと思ったら1か月前からスケジュールをおさえおかなければならないのかもしれません。もっと詳しくみていけば、騎乗馬決定の流れを垣間みることができ、馬券予想にも役立てられそうな気がします。
そのWASJで武豊騎手は2日目にものすごい追い上げを見せました。最終レースでハナ差の接戦を制していたら大逆転優勝というところまで漕ぎつけたのです。
大混戦となった優勝争いを制したのはカナダ代表のダシルヴァ騎手だったのですが、筆者にはJRAのA~Dのグループ分けが絶妙でAグループのアタリを引いた騎手が自動的に上位に集まっただけのように見えました。
あと、外国人騎手にとって不慣れなダートは鬼門になると思っていたのですが、ダートで行われた第3戦でAグループの馬に騎乗したのはM.デムーロ騎手、武豊騎手、中野騎手、モレイラ騎手とダートの素養がある騎手ばかり。対してD評価はマリヨン騎手、ダシルヴァ騎手、クウィリー騎手と、ダートだと有力馬に騎乗できたとしても苦労しそうな騎手でした。JRAの騎乗馬振り分けの妙が混戦を生んだような気がしてなりません。
樋野竜司
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。
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樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。