先週の日曜阪神で騎乗していた騎手をみてみると、リーディングトップ10に入っているのは和田騎手ひとりだけでした。ルメール騎手、川田騎手は凱旋門賞に騎乗するためにフランスに遠征中。デムーロ騎手や福永騎手などのトップジョッキーはスプリンターズSに騎乗するため、この日は中山で騎乗していました。GⅠの裏開催だけに騎手が手薄だったといえるでしょう。
そして、こういう日は馬も手薄になりがちです。というのは、やはり将来への期待のかかる良血馬や、優先出走権を持っている勝ち負け必死の馬には、一流騎手に跨って欲しいもの。目当ての騎手が不在の時に無理して使うことはないからです。
ただ一方で、相手が手薄になりやすいからあえてそこを狙うという戦略も成り立ちそうです。
そういう意味で、先週の阪神7R(芝1800m)で17番人気(単329.3倍)という超人気薄ながら2着に好走したアンノートルが気になりました(さすがに好走は無理だろうと思って、馬券では消してしまったので、ただ気になっただけですが……)。というのは、アンノートルは出走馬のなかで唯一の関東馬だったのです。
500万下ではブロック性が敷かれているので、フルゲート割れじゃないとそもそも関西のレースに関東馬は出走すら叶わないのですが、先に述べた通りGⅠの裏開催で騎手が手薄だったことが幸いしたと思われます。でも、それだけでわざわざ遠征するとは思えません。やはり、何らかの狙いがあっての決断に違いないと思うのです。しかも、▲(3キロ減)の三津谷騎手に依頼しているのも、勝負度合いの高さの現れではないでしょうか。
これから秋のGⅠレースが本格的に始まりますが、その裏でおいしい馬券にありつくために、騎手の手薄(すなわち馬も手薄)なところであえて勝負を賭けてくる馬がいないか注意を払いたいと思っています。
樋野竜司
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。
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樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。