先週のターコイズSをミスパンテールで快勝した横山典騎手。直線に向いた時点では馬群に包まれた状態で全く身動きがとれませんでしたが、冷静に進路を探し、残り100mを切ってから、一頭分歩かないかのスペースに突っ込み一気に突き抜けました。
マジックと称されることも多い横山典騎手の騎乗ですが、細かく見ていくと、理に適った動きが多い。3番人気のスピーディクールで勝った仲冬Sの4角のコーナーリングもそうでしょう。モータースポーツなどでよく言われる、スローインファストアウトを意識したコーナーリングだったからです。
スローインファストアウトとは、コーナーリングの基本テクニックのひとつで、充分に減速してコーナーに進入し(スローイン)、素速く脱出(ファストアウト)すること。
競馬においては、コーナーでの遠心力を減らし、ラチを舐めるように回ることで、コースロスをなくすことができるだけでなく、スタミナのロスも減らす一石二鳥のテクニックなのではないでしょうか。
レースリプレイをみると、外の2番手にいたマイネルトゥランの勢いが勝っているようにみえるし、半馬身くらい前に出ていていつでもスピーディクールを交せそうな手ごたえに見えます。なのに、内を回るコーナーワークの利で離されずに回ってくると、直線に向いて一気に加速。交わされそうに見えたのに、一瞬でマイネルを突き放したからです。
樋野竜司
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。
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樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。