前回のコラムで取り上げた戸崎騎手は、年明けの3日間開催で8勝の固め打ち。さらに、3日間連続で重賞制覇とこれ以上ないスタートを切ることに成功しました。
ただ、デムーロ騎手に続き、今週からルメール騎手も戻ってくるので、どこまでふたりを引き離せるか引き続き戸崎騎手には注目したいと思っています。
今回取り上げたいのは川田騎手です。というのは、川田騎手が京都のダート1800mで先行したときのペースの遅さが、レースを見ていて気になったからです。
先週の3日間開催で、京都のダート1800mのレースは8鞍組まれていました。その8鞍の千通過タイムを見てみると以下のようになります。
6日
2R:63秒1
4R:62秒0
7日
2R:65秒4★
6R:61秒8
7R:64秒6★
9R:63秒4★
8日
1R:61秒2
2R:65秒3※新馬戦
★印をつけたレースが、川田騎手が騎乗したレース。新馬戦を除くと、ワースト3が★印のレースということになります。
川田騎手は、スローを先行するという展開利もあって、すべて3着以内に好走したのですが、疑問に思うのは後続の騎手は何をやっていたのかということです。
7日の京都7Rでは、7枠13番から4番人気のアンナペレンナがハナを主張する感じで押して押して前に行こうとしました。しかし、先行する川田騎手が目に入ったのか、1コーナー手前で馬を引っ張って急ブレーキをかけてしまったのです。そこで一気にラップが緩んで超のつくスローペースとなってしまった。外国人騎手がいないと、後輩が先輩に気をつかう、悪しき伝統が露出してしまうのかもしれません。
ただ、先輩の川田騎手の睨みに屈してしまうような騎手が、様々なプレッシャーにさらされるであろう大レース等で力を発揮することができるでしょうか?
外国人騎手に好き放題やられるようになって久しい。先週の土日は日本人騎手を見直してもらうチャンスでもあったと思うのですが、そのレースぶりに失望した人のほうが多かったのかもしれないですね。

樋野竜司
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。
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樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。