平昌オリンピックを観戦していると、風が勝負の行方を左右する競技が多いということがわかります。ウインドファクター(風の条件を数値化したもので、それによって得点を加減する)を採用しているスキージャンプがもっとも有名でしょう。
昨日、日本が金メダルを獲得した、女子団体パシュート。こちらは屋内競技なのですが、風の抵抗を極限まで減らすために、後ろの選手が前の選手にギリギリまで接近する独自の隊列に勝利の秘訣があったとことは言うまでもないでしょう。
まだよくわからないことが多いですが、競馬も風の影響を大きく受ける競技です。先週の小倉は土日で風の状況が大きく変わったので、それを知るのにいい機会となりました。
土曜日は直線強い追い風が吹いていたのですが、日曜日は、風がなくなり向きも逆だったからです。
土日で3鞍ずつ組まれていた芝1200mを比較すると、土曜は3鞍すべて逃げ切り勝ちが決まっていたのに対し、日曜は逃げ馬が全敗。もともと逃げ先行有利のコースですが、スタートは向かい風の影響でペースが上がりにくく、直線は追い風になるので止まりにくい。そういう条件が整っていた土曜日は風が逃げ馬をアシストしたと思われます。
土曜
4R:33秒8→35秒4
10R:33秒9→35秒1
12R:33秒9→34秒9
日曜
4R:33秒7→35秒5
7R:32秒9→35秒5
12R:33秒7→34秒3
レースラップを比較すると、スタートが向かい風の土曜日のほうが前半3ハロンのラップが遅いのがわかります。日曜最終の紫川特別はこの日の馬場傾向を騎手が意識したからか、先行争いが激しくならなかったのですが、それでも後方で脚を溜めた北村友騎手のラヴィングアンサーの直線一気という決着になりました。

樋野竜司
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。
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樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。