先週の弥生賞。勝ち馬のダノンプレミアムとは違う意味で多くの注目を集めたのが、ここがデビュー戦のヘヴィータンクだったのではないでしょうか。
結果は、勝ち馬から22秒9も離された大差のシンガリ負けだったのですが、賞金(出走奨励金)と特別出走手当をゲット。走破タイムから推測すると、前日の中山芝2000mの未勝利戦の最下位の馬から15秒も離されている計算となるので、新馬戦や未勝利戦を使っていたとしてもタイムオーバーを食らっていた可能性が高い。ただ、新馬戦や未勝利戦だとタイムオーバーで出走手当が減額されたりするのですが、重賞で10着以内に入線すればいくら離されようと減額されないので、10頭立てと頭数が揃わなかったことと、そういうルールの隙をついた森調教師の経営者的ファインプレーだったのではないでしょうか。
そのヘヴィータンクに騎乗したのが、今年4年目の野中騎手。今年初の重賞騎乗がこの馬というのは、いまの若手騎手が置かれている厳しい状況を端的にあらわしているような気がします。
しかも、この日の中山8Rでようやく今年の初勝利を挙げました(パレスハングリー2番人気1着)。本人もこのままではダメだという意識があるのか、3月19日からアイルランドに武者修行に行くようです。逞しくなって帰国する姿を期待して待ちたいです。

樋野竜司
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。
「競馬成駿」はコチラ!


樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。