先週の日曜最終レースのBSイレブン賞で1番人気に支持されたのは、ルメール騎手が騎乗したアフターバーナーでした。
1番人気に支持された理由を考えてみると、前走の高瀬川Sにあったと思われます。というのは、スタートで出遅れ。しかも、そのあと左右から挟まれる不利にも見舞われ、スタート直後に大きなビハインドを背負ってしまったからです。しかし、直線盛り返して4着まで来ていたので、次走スムーズに競馬できれば前進必死と考えられたのではないでしょうか。
ただ、筆者の見方は違いました。というのは高瀬川S当日の京都は向こう正面で強い向かい風が吹いており(直線は追い風)、高瀬川Sは実質的にはかなりのハイペースで先行馬に厳しい展開とみていたからです。なので、アフターバーナーはスタートで不利があったとはいえ、厳しい先行争いに巻き込まれることなく、直線で追い風に乗ってバテた先行馬を交わすだけで着が拾えた。不利と風の影響を勘案するとプラマイゼロかむしろ恩恵のほうが大きかったと思っていたからです。
なので、筆者のこのレースでの狙いは、その高瀬川Sでハイペースを先行し大バテしたタイセイエクレール。しかし、前走14着に大敗し人気が落ちることに期待していたのですが、前走の単7.5倍から、さらに人気が上昇し単5.5倍となっていました。
このオッズの動きをみて、競馬における風の影響が馬券ファンの間にも浸透してきたのではないかと、うれしいような悲しいような複雑な気分になりました。

樋野竜司
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。
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樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。