先週の安田記念を制したのはルメール騎手が騎乗したモズアスコットでした。
特別登録の時点ではフルゲートの18頭に対し19頭の登録があり、モズアスコットの出走順位は19番目で除外対象。しかし、直前で3頭の回避馬が出て、繰り上がりで出走可能となったのです。
そして、その裏にはルメール騎手に乗って欲しい各陣営の綱引きがあったという噂です。というのは、モズアスコットは早くからルメール騎手で安田記念に向かうというプランだったのですが、賞金が足りず除外される恐れがあった。そういう理由もあって、前週の安土城Sにも出走したのですが、結果2着で賞金加算とはなりませんでした。
モズアスコットが除外となればルメール騎手が空くので、ルメール騎手の手綱で京王杯SCを制したムーンクエイクに騎乗してくれるかもしれない。ムーンクエイクを管理する藤沢和厩舎が安田記念に4頭も登録してきたのには、モズアスコットを除外にすればルメール騎手に乗ってもらえるという意図があったからかもしれません。しかし、噂では先約を盾にムーンクエイクの依頼を断ったというのです。
最近の条件戦ではルメール騎手やデムーロ騎手が確保できなければ、違うレースに変更するということが日常的になりつつありますが、競走馬の最終目標でもあるGⅠレースでもルメデムに乗ってもらえないなら使わないというふうになっていくのでしょうか。モズアスコットの出走叶ったのも先にルメール騎手を確保していたからとも考えられるからです。
スワーヴリチャードの後ろが空くと読み切ったかのような見事な手綱捌きを見せられると、そう考えるのも仕方ないと思えてきますが……。

樋野竜司
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。
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樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。