現役のダービージョッキーは以下の10人。武豊(49歳)、デムーロ(39歳)、四位(45歳)、横山典(50歳)、ルメール(39歳)、岩田(44歳)、川田(32歳)、池添(39歳)、福永(41歳)、内田博(48歳)。
最年少の川田騎手と今年のダービージョッキーの福永騎手に共通する点は、どちらも金子真人オーナーの馬(マカヒキ、ワグネリアン)に跨って勝っているという点です。
有力馬の依頼が外国人騎手やベテラン騎手にどうしても集中してしまう現状なので、日本人の若手騎手にはなかなかチャンスが回って来ない。そんななか、日本人の若手騎手にもチャンスを与えているのが金子オーナーといえるでしょう。福永騎手の悲願のダービー制覇を演出したといっても過言ではないでしょうし。
金子氏の騎手起用の特徴は、40歳を超えるベテラン騎手への依頼が少ないという点。アパパネで牝馬3冠を達成している蛯名騎手には今年1鞍しか依頼していませんし、ディープインパクトの主戦だった武豊騎手とのコンビも今年8鞍だけ。騎乗依頼が多いのは、順に、ルメール、石橋脩、藤岡康、戸崎、浜中、川田で30代の騎手が中心です。
8月5日の小倉5R新馬戦。期待の新馬ヴェロックスに跨ったのは浜中騎手。ダービージョッキーメーカーといってもよさそうな金子氏が次なる候補に指名した可能性があります。
しかし、2戦目の野路菊Sでは2着に敗れてしまい、期待を膨らますことはできませんでしたが、金子氏が今後どのような騎手起用をするのかこれからも注目したい。
今週、ワグネリアンに騎乗できなくなってしまった福永騎手の代打で指名されたのが藤岡康騎手というところからも、金子氏の意図を感じ取ることができます。さすがに、今年のダービー馬の鞍上なので、オーナーの意向なくしては決められないでしょうし。
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樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。