先週のエリザベス女王杯はモレイラ騎手が騎乗したリスグラシューが勝利。GⅠでの2着が4回もありながら、なかなかタイトルに手が届かなかった善戦マンに悲願のタイトルをもたらしただけでなく、モレイラ騎手もうれしいJRAのGⅠ初制覇となりました。
エリザベス女王杯のパドックを見ていて気になったのは、モレイラ騎手がいわゆるモレイラアブミを使っていなかったということ。
モレイラアブミとは、モレイラ騎手が使用しているのを見た福永騎手が取り入れ、今、ブームとなっているアブミで、足を置く部分が半円形になっているのが特徴。
しかし、ブームの火付け役のモレイラ騎手本人が使用していなかったのです。
とはいえ、JRDBの金子京介さんからの指摘で、すぐにその謎は解けました。パドック映像では見えない反対側がモレイラアブミで、左右で違うアブミを履いていると教えていただいたからです。
そう思って、過去のパドック映像を見返してみたところ、右側がモレイラアブミで左側はノーマルアブミを履いているとわかりました。しかも、右回りも左回りも関係なく、回りに合わせて変更しているわけではなさそう。
そう考えると、モレイラアブミを使っている右足側になにか気になるところがあるのでしょうか。
左回りのコースは東京しか経験がありませんが、右足側に遠心力がかかる左回りで成績が若干落ちるのは、東京コースに慣れてないということだけではなく、回りも関係しているのかもしれません。ただ、答えはわからず、謎は深まるばかりです。
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樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。