先週の大阪杯を制したのは9番人気の伏兵アルアインに騎乗した北村友騎手でした。しかも、これがうれしいJRAのGⅠ初勝利。
先々週の高松宮記念では1番人気のダノンスマッシュに騎乗し、4着と期待に応えることができませんでした。しかし、今回は人気もなく肩の力が抜けたことが勝利につながったのかもしれません。
勝利ジョッキーインタビューをみても、どこかぎこちなく(勝つことを想定していなかったのか)、話す内容を用意していなかった印象を受けました。まずは乗せてくれた関係者への感謝の言葉を述べるのがお約束になっていて、聞かれなくても答えるのが恒例と思うのですが、それがなかったのが逆に新鮮でした。
大阪杯当日の阪神は、前日の雨の影響で時計のかかる馬場でのレースとなったのですが、雨の影響以上に、風の影響があったのではないかと思っています。
というのは直線が向かい風になっていたからです。というわけで、大阪杯のように1周するレースはスタートダッシュが利きにくく、直線で上がりのかかる展開になりやすい。だから、時計も遅くなる。さらに外を回って風を除けることができなかった馬の苦戦が目立ちました。
今週の桜花賞でも、北村友騎手は有力馬の1頭のクロノジェネシスに騎乗します。先週の勝利でつかえていたものが完全になくなって連勝するか、やはり人気になると固くなってしまうのか、その騎乗ぶりにも注目したい。
あと、桜花賞当日の天気予報を見ると気温が20度ちかくまで上がるようです。気温が上がるということはあたたかい南風が入ってくるということかもしれません。
南風は直線の追い風になるので、先週とは傾向が一変、外からの差しが利く馬場になるかも。そのあたりもに注目が必要と思っています。
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樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。