先週から福島と中京が開幕。本格的な夏競馬に突入といった感じです。
そして、日曜の福島メイン・ラジオNIKKEI賞を制したのは田辺騎手が騎乗したブレイキングドーンでした。雨の不良馬場というあいにくの状況のなかでのレースでしたが、福島出身の田辺騎手だけにやる気に満ち溢れていたのかもしれません。
そこでふと感じたのは、雨の中での道悪だとジョッキーのやる気にも大きな影響を及ぼすのではないかということです。
そこで17年以降の成績上位20人のジョッキーの悪条件時でのやる気に関して調べてみました。
その方法は「天候が雨、小雨、雪、小雪」で「馬場が重か不良」のときの勝率と全体の勝率を比較するというもの。悪条件時にやる気が減退する騎手の場合、勝率が下がるのかもしれません。
そして調べた結果が、以下の通りです。
■全体勝率(左)と悪条件時の勝率(中)の比較
(右の数字は、悪条件時の勝率を全体勝率で割ったもの)
1石橋脩 11.8%/26.6%→2.25
2大野拓弥 7.5%/13.3%→1.77
3池添謙一 9.9%/14.5%→1.46
4福永祐一 15.1%/20.3%→1.34
5田辺裕信 11.9%/15.6%→1.31
6浜中俊 10.0%/13.1%→1.31
7幸英明 7.1%/ 9.2%→1.30
8三浦皇成 8.9%/ 9.9%→1.11
9内田博幸 8.2%/ 7.7%→0.94
10和田竜二 8.6%/ 7.9%→0.92
11吉田隼人 9.0%/ 8.2%→0.91
12デムーロ 23.4%/20.8%→0.89
13武豊 14.5%/12.7%→0.88
14ルメール 25.5%/22.0%→0.86
15松山弘平 8.4%/ 7.1%→0.85
16戸崎圭太 15.4%/10.8%→0.70
17藤岡佑介 9.7%/ 6.7%→0.69
18北村友一 10.9%/ 5.9%→0.54
19川田将雅 18.0%/ 8.6%→0.48
20岩田康誠 9.9%/ 1.5%→0.15
※データ集計期間:2017年1月1日~19年6月30日
田辺騎手だけでなく、大雨の中のCBC賞を制した福永騎手も上位にランクインしており、悪条件時でもやる気があるといえそうです。
梅雨の時期で、今週も悪条件のなかでの競馬になるかもしれません。その場合に、このランキングが役立つかもしれません。
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樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。