きさらぎ賞で単勝1.5倍の圧倒的な支持を集めたアルジャンナが3着に敗れたのに続き、先週の共同通信杯でも単勝1.5倍のマイラプソディが4着に敗れました。
ただ、マイラプソディはクラシックに出走するのに十分な賞金を持っているので、どうしても勝たなければならない一戦ではなかったのも確か。ダービー前に東京を経験させておくという狙いのほうが大きかったのかもしれません。
今回注目するのは、その共同通信杯で6着だった柴田善騎手。現役最年長ジョッキーとなりましたが、土曜にも1勝を挙げ、まだまだ現役バリバリといった印象です。
コンビを組んだシングンバズーカは、昨年の3月に亡くなったシングンオペラの子供。
シングンオペラは数少ない産駒の中から昨年の中山大障害を勝ったシングンマイケルを輩出したのですが、残念ながらシングンマイケルはセン馬なのでその血を継ぐことができません。シングンオペラの血を残すには、いまいる限られた産駒のなかから後継をみつけるしかないということになります。なので、重賞で6着に入着しただけかもしれませんが、血を残す可能性を大きく広げたといえるのではないでしょうか。
今週月曜、シングンバズーカなどシングン軍団の馬を管理する高市圭二調教師が亡くなられました。
レース後の柴田善騎手のコメントは「勝ち馬についていったが瞬発力の差が出た。でも、先々はどんどん良くなると思う」というもの。師の思いを受け継いで、どんどん強くなって行って欲しいと願っています。
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樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。