先週の桜花賞は松山騎手騎乗のデアリングタクトが勝ちました。
松山騎手は年明けから好調。前日の阪神牝馬ステークスもサウンドキアラで制し、今年獲得した重賞タイトルは6つになりました。これはルメール騎手の5勝を上回り全騎手でトップの数字です。
デアリングタクトの桜花賞でのレースぶりを振り返りましょう。朝から降り続いた雨の影響で芝が重まで悪化する、あいにくの馬場状態のなかでのレースとなりました。
阪神ジュベナイルフィリーズを圧勝した1番人気のレシステンシアは切れ味よりも持続力に秀でた馬で恵みの雨になったと筆者は見ています。鞍上の武豊騎手も後続の脚を削るようなペースで先行して、直線に向いた時点で後続に差をつければ、そのリードを逆転できる馬はいないだろうという作戦で、思い描いた通りの競馬ができたのではないでしょうか。しかし、そんな展開のなか一頭だけで違う脚で伸びて来たのがデアリングタクトでした。
一部では馬場が味方したという見方もありますが、良馬場ならもっとすごいパフォーマンスを見せてくれたのではないかと思っています。
古くはキョウエイマーチ、最近ではレーヌミノルなど、渋った馬場で行われた桜花賞ではメジロドーベルやソウルスターリングという人気の差し馬の切れ味が鈍るなかで、前に行った馬が押し切るケースが多かったのですが、デアリングタクトはライバルが得意とする条件で完勝したのだと思っています。
次は、オークスになるのか、ダービーになるのかわかりませんが、その走りが楽しみです。
「重賞トリプルトレンド」で公開中!
↓↓↓
「競馬成駿」はコチラ!


樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。