今年のダービーはコントレイルの圧勝劇に終わりました。
ただ、勝ちタイムは2.24.1秒で、オークスに続き地味な時計での決着になりました。
前日の3歳1勝クラスを勝ったアンティシペイトと同じタイム。当日朝の雨の影響で前日の馬場とは比較にならないのかもしれないですし、序盤はスローで流れ、向こう正面でマクリが決まりラップの抑揚も激しかった。こうなると道中何度もアクセルをふかしたり、ブレーキを踏んだりすることになりスタミナの消耗も激しくなりがち。時計に表れないタフな流れだったのかもしれません。
ダービーで勝ち馬が2着以下に0.5秒差と大きな着差をつけて勝ったのは10年以上ぶりのこと。相手に恵まれただけなのか、そうでないのかこれからの走りへの期待が高まります。
父ディープインパクトがダービーを勝った02年にサンデーサイレンスは亡くなっています。そして、昨年ディープインパクトが天国に旅立って、最初のダービーを勝ったのがコントレイル。競走馬としての楽しみだけではなく、血を継承するものとしての楽しみも増してきます。
鞍上の福永騎手によると、「まだ遊びながら走る面があり、完成はまだまだ先」とのこと。秋の活躍が今から楽しみになってきます。
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樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。