先週で閉幕した函館開催。残り1週を残した時点で横山武騎手と池添騎手が10勝で並び、最終週での開催リーディング争いに注目が集まりました。
結果は、横山武騎手が4勝、池添騎手が2勝で、横山武騎手に軍配が上がりました。
というわけで、今回は横山武騎手に注目してみたいと思います。
数々の騎手の証言を総合すると、年を取って体のバランスが変わってくると馬と折り合えるポジションがどんどん後ろになってくるようです。というわけで、若い騎手は前で折り合える競馬ができることが大きな武器になる。
弱冠24歳のマーフィー騎手の今年の戦績データを見てみると、6割近くのレースで逃げ先行策を採っている。これは自分の強みをよく理解したうえで騎乗しているからでしょう。
横山武騎手の武器も若さ溢れる積極性です。
なかでも、日曜函館10R駒場特別で騎乗したソリストサンダーでのレースぶりが光りました。
前走で騎乗した大野騎手は1コーナーで馬が頭を上げ折り合いにかなり苦労していました。こういう馬に初めて跨るときは引っかかってしまうことを恐れ、なかなか前には行けないもの。
しかし、横山武騎手は好スタートから先団を伺い、好位で難なく折り合わせました。3コーナー過ぎから仕掛け、4コーナーで先頭に立つとそのまま押し切りました。
前で折り合って、早めに動いて押し切る競馬をされたら、後続のベテラン騎手には出番は回って来ない。積極性がアダになって馬群に沈むケースも多いですが、まだまだ活躍が続くのではないでしょうか。
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樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。