先週行われたオールカマーで惜しくも2着に敗れたカレンブーケドール。これが5度目の重賞2着となかなかタイトルを手にすることができません。
今回はその鞍上の津村騎手に注目してみたいと思います。
津村騎手は、今年これまで21勝(9月27日現在、以下のデータも同じ)に対し、2着が倍以上の47回もあります。カレンブーケドールに匹敵するシルバーコレクターといっても過言ではありません。
しかも、2着の割合が多くなっているだけではなく勝ち星自体が減少傾向にあるのが気になります。
ポイントの一つは、今年からローカル回りをやめて、中央場所で勝負するようになったからでしょう。
○中央場所
18年:14勝、勝率4.0%
19年:18勝、勝率5.2%
20年:17勝、勝率4.9%
○ローカル場
18年:38勝(354鞍)、勝率10.7%
19年:21勝(285鞍)、勝率7.4%
20年:4勝(60鞍)、勝率6.7%
中央場所での成績はほぼ横ばいかやや上向き。ローカルで稼いでいた勝ち星がなくなったことが影響しているといえそうです。
あと、今年は関東の中堅騎手への影響が大きいとみていますが、コロナも原因のひとつではないでしょうか?
というのは、緊急事態宣言が出されていた時は関西馬が関東に遠征できなくなるなど東西の移動制限がかけられていたからです。しかも、東西の移動制限解除後も関西からの依頼が戻って来なかった。
○関西馬
18年:18勝(162鞍)、勝率11.1%
19年:4勝(127鞍)、勝率3.1%
20年:1勝(53鞍)、勝率1.9%
関西からの依頼が勝ち星の供給源のひとつだったので、それがここまで減ると影響はゼロではなさそうです。
カレンブーケドールはこのあとジャパンカップに向かうようです。
昨年は53キロの斤量に乗れる騎手が限られるので、乗り替わりにならずに済んだと思っていますが、今年は海外から短期免許で来日するのが難しそうなので、またしてもコンビ継続となるかもしれません。
人馬ともにシルバーコレクターというレッテルを剥がせるか注目したい。
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樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。