先週行われたスプリンターズステークスを制したのはルメール騎手が騎乗したグランアレグリアでした。
出遅れ気味のスタートで道中は後方2番手からでしたが、直線まとめて交わして突き抜けました。その爆発的な脚をルメール騎手は「スーパーソニック!」と表現したそうですが、岩田騎手の「バキューン!」とはまた違った趣がある表現で面白い。
今回は、東西の騎手の勝ち星の差について考えてみたいと思います。
というのは、ルメール騎手は関西所属ですが、シリウスステークスを勝ったカフェファラオもスプリンターズステークスのグランアレグリアも関東馬で、関西の騎手に関東馬の勝ち星を多く奪われている現状があるからです。
現時点での関東リーディングの横山武騎手は全国リーディングでは6位。10月4日まで(以下同)の東西の騎手の勝利数は以下の通りです。
関東:912勝
関西:1623勝
やはりダブルスコアに近い差になっています。ただ、東西の厩舎勝利数をみてみると。
関東厩舎:1128勝
関西厩舎:1517勝
騎手ほどではないですが、こちらもかなりの差になっている。
151勝中106勝を関東馬で挙げているルメール騎手と54勝中の41勝を関東馬で挙げているデムーロ騎手に勝ち星を奪われているだけで、ふたりを関東所属と考えるだけで騎手の東西格差の問題は解消できるような気がします。
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樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。