先週の皐月賞は蛯名正義騎手が騎乗したイスラボニータが制しました。蛯名騎手はこれが皐月賞初制覇ですが、大目標はやはりダービーでしょう。尻もちを突くようなフォームを取り入れたのは、一説にはフェノーメノのダービーでハナ差の2着に敗れた悔しさからといいます。このコンビがダービーでどういうパフォーマンスを見せてくれるか、今から楽しみです。
先週同期とは一ヶ月半遅れでデビューし、いきなり2勝を挙げた小崎綾也騎手。しかも、勝ったケルンフォーティーとブルーメリディアンは、どちらも父の小崎師が管理する馬。父が息子のデビューを祝うために確勝級の馬を用意したのか?それとも、父へ成長した姿を見せ、騎乗ぶりで父への恩返しをしたのか?気になるところです。
筆者が驚かされたのは、小崎騎手がブルーメリディアンで記録した上がりタイムです。福島ダート1700mは条件戦しか組まれておらず、オープン馬がこの条件を走ることは特別なことがない限りないのですが、上がり3ハロン36秒0というのはオープン馬でもなかなか出すことのできない驚異的なタイムと思うからです。
1000万条件の追い込み馬が36秒台で上がってきても、かなり優秀な部類。現在ダートの重賞やオープン特別で活躍しているジェベルムーサが、昨夏の彦星賞でやや重で記録した上がりが36秒2で、これが13年以降の最速記録だったことを考えると、オープン級のパフォーマンスを示したといってもいいからです。
これは、父の渾身の仕上げがなせる技なのか、それとも小崎騎手の騎乗が引き出したものなのか、これからも親子コンビの走りから目が離せません。
【小崎綾也騎手の騎乗予定】
:今週は土日計8鞍に騎乗。日曜福島8Rでは再度父親とコンビ結成!

樋野竜司
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。
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樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。