先週土曜日のルメール騎手は【0.1.1.5】と未勝利に終わりました。
ルメール騎手がひとつも勝てなかったということは大荒れの決着が頻発したのではないかと感じますが、1番人気が3勝、2番人気が5勝、3番人気が2勝。残りも5番人気と6番人気で比較的平穏な一日でした。
穴党からすれば、せっかくルメール騎手がおとなしかったのに、なんで荒れてくれないんだよといったところでしょうか(笑)
この日の中山は、終日強い北風が吹いていて、直線は向かい風。強い向かい風で力強く脚を伸ばせるとなると能力の秀でた馬しかいないということになるので、人気決着が増えるのです。
ここでは、ルメール騎手が向かい風を苦手としているのか得意としているのかについて考えていきたいと思います。
というのは、ルメール騎手の騎乗馬は力の抜けた馬ばかり。なので、向かい風でも問答無用で脚を伸ばせる。筆者が持っている風向きデータで直線向かい風時の成績を見てみるとルメール騎手は、川田騎手(26.7%)に次いで勝率2位(23.4%)となっています(19年9月から21年2月14日まで、騎乗数100鞍以上)。しかし、それは馬質に恵まれているからで、実際は苦手なのではないかと筆者は考えているのです。
そこで、向かい風時に騎乗した馬の人気から推定される勝利数を計算してみました。その結果は約112勝。そして、実際の勝利数は99勝。つまり向かい風の時は13勝程度取りこぼしているといえる。
馬質がいいのでたくさん勝ちますが、本質的には苦手としているといえるのではないでしょうか。
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樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。