夏競馬の終わりを告げる名物重賞の新潟記念は、今年も直線横一線に広がっての叩き合いとなり、外ラチ近くまで広がった馬群の大外に持ち出したデムーロ騎手のマイネルファンロンが勝ちました。
マイネルファンロンは、前走の函館記念ではハナを主張するも、外のレッドジェニアルに先を越され、逃げられなかったうえに折り合いまで欠いてしまい14着に惨敗していたのですが、デムーロ騎手に乗り替わった今回は後方から追い込む競馬を選択。
スタート一息で前に行きたくても行けなかったのか、馬場や風やレースの特徴などを考え合わせて後方からの競馬に切り替えたほうがチャンスが大きいと考えたのかはわかりませんが、デムーロ騎手らしい大胆な戦略が光った一戦といえるでしょう。
筆者は19年10月から「政治騎手レポート」という出馬表を作っており、その中に「乗り替わり指数」という騎手の乗り替わりによる変わり身の可能性を指数化して載せています。
その指数を算出するために「馬力絞り出しメーター」という指標を使っています。「馬力絞り出しメーター」とは、騎乗馬の単勝オッズから推定される成績と実際の成績を比較し、人気以上に走らせているのか、それとも取りこぼしているのかを数値化したもの。これを19年9月から毎月算出しています。
≫ 続きはログイン内で
「競馬成駿」はコチラ!
樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。