ダービーと目黒記念は真逆のペース、真逆の展開になるとよく言われます。
今年のダービーは、1000m通過が58.9秒のハイペースになり、後方で脚を溜めたドウデュースとイクイノックスの差し比べとなりました。
そして、目黒記念は1000m通過が62秒台のスローペースになり、4角3番手以内の馬が上位を占める前残りの決着となりました。
思えば、昨年のダービーも1000m通過は60.3秒とそこまで速くはありませんでしたが、遅い流れになることを嫌ったルメール騎手、デムーロ騎手、武豊騎手が向こう正面で動いてペースを上げ、残り1000mからペースアップして、差し追い込み馬が上位を占める決着となりました。
対する目黒記念は、1000m通過が64秒台という歴史的なスローペースになって2番手でレースを進めたウインキートスが楽々押し切りました。
この現象を、筆者は、直前のレースの記憶が騎手の意識に影響を与えるからと思っており、ダービーの記憶は強烈なので、ジョッキーの意識に及ぼす影響も大きいからだと考えています。
今回の主役は、ダービーで3着と善戦したアスクビクターモアに騎乗していた田辺騎手です。
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樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。