前回に続いて、今回もC.ルメール騎手を取り上げたいと思います。
先週は1勝を挙げたものの、17鞍で1番人気に5頭乗った結果なので微妙としか言いようがないですし、AJCCでは単勝1.8倍のガイアフォースで直線伸びず5着と期待を裏切ってしまいました。
土曜メインの初富士Sでも、単勝1.5倍のパラレルビジョンに騎乗。スタート出遅れてしまい3着まで挽回するのが精一杯と、どうも流れに乗り切れていない印象です。
とはいえ、もともと寒い時期は調子が上がらない騎手で、年明けに休みをとってバカンスに行くのも恒例となっています。スロースターターなので、徐々に調子を上げていくのかもしれません。先週で中山開催が終了し、今週から得意の東京開催が始まるので、ここから本格始動する可能性もあります。
しかし、昨年も同じように年明けから調子が上がらず、同じようなことを言われていました。しかも、勝ち星で見ると21年の199勝から22年は109勝と大きく勝ち星を減らしており、重賞に関していえば22年は年明けから21連敗を喫し、オークスのスターズオンアースでようやく重賞を勝つという状況。
騎乗馬の平均オッズを見ても21年4.4倍だったのが22年は6.5倍と上がっています。過剰人気傾向に歯止めがかかったのか、騎乗馬の質が下がったのか判断するのは難しいですが、気になる傾向であることは確かでしょう。
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樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。