桜花賞に続いて皐月賞のジョッキーカメラも大変興味深いものでした。
勝ったソールオリエンスに騎乗した横山武史騎手のカメラは前の馬が蹴り上げた水分をたっぷり含んだ泥がかかりスタートしてすぐに前が見えなくなってしまいました。ゴールするまで真っ暗の画面でしたが、これもレースのリアルな状況で、ゴーグルを何重にも装着したり、透明の下敷きのような板を泥除けにしたりと視界を確保する重要性がよく理解できました。
とはいえ、これまでカメラをつけられた3頭(リバティアイランド、ソールオリエンス、ファントムシーフ)はすべて馬券に絡んでおり、パドックでどのジョッキーにカメラが付いているのか確認することが予想ファクターとして使えるのではないかと改めて感じました。
肝心の皐月賞の筆者の予想は勝ったソールオリエンスを無印にしてしまい完敗。
評価を下げた根拠は前走の京成杯でのレースぶりにありました。4コーナーで大きく外に膨らみコーナーワークに不安があるということと、ラスト2ハロン11.7-11.5秒と加速ラップで突き抜けたとはいえ、相手に恵まれた感が強く相手が強くなってどうかという不安もあったからです。
不安的中で皐月賞でも4コーナーで外に飛んでいくような面を見せていたのですが、それによって一気に馬場のいい大外まで持ち出せたので、不安をメリットに変換されてしまいました。
さらに、レースの上がり3ハロンタイムも2位の馬を0.9秒凌ぐ圧倒的なもので、ここもソールオリエンスにとっては相手が楽だったようです。
左回りになればコーナーワークの不安は軽減しそうで、ダービーでどんな走りを見せてくれるのか今から楽しみです。
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樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。