今週は若手騎手6人が30日間の騎乗停止になるというショッキングなニュースがありました。
レース開催中の騎手控室や調整ルームなどでスマートフォンを使ってインターネットを利用したり、ジョッキー同士で通話したりしていたということです。
自分の騎乗する馬の情報を得るためにJRA-VANで過去のレース映像をチェックしていたというケースもあり、それは多少大目に見てもいいのではないかと感じることもありますが、ルールはルール。
このニュースを耳にして感じたのは、ジョッキーは自分の騎乗馬や相手の過去走をチェックしないのか気になることがよくあるのですが、そもそもチェックできる環境がないので、見たくても見られないが正解だと気づかされたことです。
通信手段やIT技術の進歩もあって、無料ライブ中継にジョッキーカメラの映像やトラッキングシステムなど、馬券ファンが得られる情報はどんどんリッチなものになっているのですが、ジョッキーはその恩恵をほとんど得ることができないというのがショックでした。
過去のレース映像をDVDに焼いて持ち込むなどルールに抵触しない方法で研究することは可能かもしれないですが、レースの質を上げるためにはジョッキーの活躍は不可欠だし、研究環境が整うことでレベルアップにもつながると思うので、調整ルームで騎乗馬の研究ができる環境は整えるべきではないかと感じました。
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樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。