先週は、ユニコーンステークスを1番人気のペルエールで制するなど、ルメール騎手が好調。6勝の固め打ちを果たしました。
一方、川田騎手は2勝しか勝ち星を積むことができず、リーディング争いでルメール騎手に1勝差に迫られてしまいました(川田騎手72勝、ルメール騎手71勝、23年6月23日現在)。
ルメール騎手は、夏に長期の休暇を取得する可能性もありますが、スロースターターで後半に勝ち星を伸ばす傾向が強く、秋の東京開催で勝ち星を量産するのが毎年の恒例。折り返し地点前でこのリードだと、ルメール騎手に逆転されるような気がしてなりません。
川田騎手は、今年これまで勝率が31.2%もあり、騎乗の精度に関しては文句なしといったところですが、乗り馬集めに苦労している印象です。具体的にいうと、ノーザンF系の一口クラブからの依頼が減っているのが気になります。
今年のサンデーR、キャロットF、シルクRの馬で挙げた勝ち星を見てみると、ルメール騎手が27勝なのに対し、川田騎手は6勝しか挙げておらず、ここでの差がリーディング争いにも影響しそうです。
川田騎手への依頼の内訳をみるとリバティアンランドを管理する中内田厩舎の馬と関東馬がほとんとで、そもそも依頼されていないのが気になります。
キャロットFのパーティーであいさつした武豊騎手がなかなか有力馬に乗せてもらえなかったことを嘆いて会場の笑いを誘いましたが、その隣で大爆笑していたのが川田騎手で、なにか思うところがありそうだと感じました。
ノーザンF系の一口クラブからの信頼を回復できるかがリーディング奪取へのカギになりそうです。
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樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。