前回取り上げた斎藤新騎手は、先週のエルムSでも4番人気のワールドタキオンで2着に好走。人気の先行馬が後方馬群に沈む厳しい流れを強気に先行して見せ場も十分でした。
馬の力を信頼した正攻法の競馬がいい方向に向いている印象なので、これからの活躍にも期待したい。
今回取り上げたいのは、レパードSで8番人気のルクスフロンティアを3着に粘らせた秋山真騎手です。
というのは、そのラップが非常に特殊なものだったからです。
1000m通過61.0秒以下で、ラスト2ハロン24.5秒以下というケースはこれまで6例(20年レパードSケンシンコウ、13年レパードSインカンテーションなど)あったのですが、すべて渋った馬場でのもので良馬場では初めてのケース。
そして、ルクスフロンティアが大逃げをしたレパードSのラップは以下の通り。
12.5-10.9-12.3-12.6-12.2-12.7-13.2-12.0-12.4
1000m通過60.5秒、上がり2ハロン24.4秒と、前半激流なのに、終いも速い。この展開を作ったルクスフロンティアは大逃げして一旦後続を引き付けて、そこから13.2-12.0秒というペースアップに対応しています。3着に負けはしましたが、底知れなさを感じました。
秋山真騎手は後続が追いつくまでの脚を使わせて、並んだところで突き放す算段だったのかもしれないですが、後続を引き付け過ぎてしまった可能性も考えられます。どういう狙いだったのかも気になります。
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樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。