7月28日の当コラムでも取り上げたデムーロ騎手。
前回は、中京記念でディヴィーナに騎乗するために中京に遠征したところ、福島で前走騎乗していた馬が多数出走し、お手馬が大量に流出する事態になったことに注目しました。「政治力」の低下をうかがわせるエピソードだったからです。
それから2週間後に大きな動きがありました。それは、デムーロ騎手のエージェント変更です。
これまでは、柴田大騎手や丸山騎手を担当している川島康孝氏が担当していたのですが、甲斐弘治氏に変更。甲斐氏は今年6月まで吉田隼人騎手のエージェントを担当していた関西のトラックマン。
最近のデムーロ騎手は関東圏での騎乗が多く実質的には関東の騎手といってもよかったのですが、関西に拠点を戻すつもりなのかもしれません。
実際、今週は土日ともに小倉で騎乗。さらに騎乗する馬がすべて関西馬。もともと関西に拠点を戻すつもりだったので、7月23日のお手馬流出は継続して騎乗できる関東の騎手に任せただけの可能性も考えられます。それとも、それが引き金となってエージェントを変更し拠点を変える決意をしたのでしょうか。
とにかく、これからデムーロ騎手の立ち回りが変わることは間違いないので、どうなるのか注目して追っていきたいと思っています。
「競馬成駿」はコチラ!


樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。