先週の日曜札幌5Rを2番人気のウールデュボヌールで勝利し、年間100勝に到達した川田騎手。
これは、初のリーディングに輝いた昨年と同じペースで、2年連続リーディングも視界良好といっていいでしょう。
もっとも、川田騎手を4勝差で追うルメール騎手は秋の東京開催まで本領を発揮しないと思われるので、熱いリーディング争いは秋競馬の楽しみの一つになりそうです。
先週の札幌芝は非常に難解でした。
というのは、Cコースに替わってインの荒れた部分がカバーされ、土曜の芝のレースは7鞍中6レースで逃げ切りが決まる圧倒的にイン有利の馬場でした。
それが、日曜のレース前に予想外の雨が降り、馬場が稍重になっていました。その影響か、急に外が伸びるようになり前日とは全く違う馬場になってしまったからです。8レースで3連単1773万馬券が飛び出したのも、突如変わった馬場が招いた可能性が高いと見ています。
そういう難しい馬場で行われた札幌記念を制したのも、2番人気のプログノーシスに騎乗した川田騎手でした。
どのジョッキーもどこを通るのがベストなのかいろいろ考えてレースに臨んだと思われます。逃げたユニコーンライオンもラチ沿を避けて逃げていたからです。
川田騎手は1コーナーでインに潜り込むと、向正面では馬場のいいところと悪いところの境目を選んでインから徐々に進出。3、4コーナーも内を回るコーナーワークの利を活かして一気に先団に取り付くと、そのまま押し切る好騎乗でした。
リーディングに向けて一戦一戦が落とせない鞍だと思うので、今週の騎乗ぶりにも期待したいものです。
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樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。