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競馬コラム

樋野竜司:今週の政治騎手

2023年09月29日(金)更新

【大野拓弥騎手】もう一度奮起を!



先週、土曜日に行われた中山9R九十九里特別を2番人気のニシノレヴナントで制し、日曜も中山10R内房ステークスで1年以上ぶりの実戦だった6番人気のダノンマデイラを勝利に導くなど活躍を見せた大野騎手。

これで今年の勝ち鞍が26勝となり、昨年の25勝を上回りました。
3ヵ月も残して昨年の記録を抜いたとなると好調なのかと思えてきますが、昨年は長期のフランス遠征を敢行しており、3ヵ月のあいだ日本で騎乗していなかったのです。
その前の21年は53勝を挙げており、それと比べると好調どころか、むしろ勝ち星が伸び悩んでいるといえそうです。

JRAのジョッキーである限り、生活に窮する事態にはまずならないと断言していいですが、仕事のやりがいに関しては疑問に思うジョッキーも少なくないようです。
たとえば、関東の中堅騎手は大舞台で活躍できる馬に騎乗できるチャンスがなかなか回ってこないので、達観してしまっている人も多いと聞きます。

大野騎手もそういう心境だったのか、いろいろな場所で騎乗したいという思いが年々強まり、ジョッキーとしてのレベルアップするために仏遠征を決断したようです。
かの地では凱旋門賞と並ぶフランスで人気の大レース・ディアヌ賞に騎乗し15番人気のフォールインラブで5着などの結果を残し、昨年9月に帰国。日本での騎乗を再開しました。しかし、変化は? というと何も変わっていない印象なのです。

帰国して間もない頃は、徹底してインを突く騎乗を見せていたものの、それで周囲の見方が変わるようなレースができたかといえば、答えはNOで……。
関東の中堅騎手に対する逆風を身をもって証明しただけかもしれません。

今年6月には、周辺でアクシデントもあり、大野騎手とは関係のない話ではありますが、やはり風評に与える影響は無視できません。もともと目立たないタイプのジョッキーですが、今はそれでいいと思っているのかもしれません。
思い切ってアピールをしても、簡単に見方が変わるわけではないと昨年のフランス遠征で痛感したのかもしれません。 騎乗ぶりを見ても消極的にインを回る騎乗が多いのですが、それも今の状況を反映しているのかもしれません。

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樋野竜司

HINO RYUJI

1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。

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