今回は、先週リバティアイランドで牝馬三冠を達成した川田騎手と同期の津村騎手に注目してみたいと思います。
先週は、GⅠ裏の東京で2勝を挙げる活躍を見せています。今年は好調で10月15日時点で48勝。このままのペースならキャリアハイ(18年の52勝)のシーズンになりそうです。
津村騎手は、競馬学校でもっとも成績優秀だった生徒に送られるアイルランド大使賞を受賞しており、デビュー時は同期の川田騎手よりも評価されていました。今でも関係者からの技術的な評価は高いのですが、やはり競馬は技術力だけでは勝てません。とはいえ、腕の立つ騎手なのは間違いありません。
川田騎手と比較すると、川田騎手は今年逃げ先行率が50.6%もあり半数以上のレースで先行しています。なので、川田騎手の騎乗スタイルと筆者は徹底先行主義と呼んでいます。ただ、逃げを選択することは少なく逃げ率は5.0%しかありません。
一方、津村騎手は逃げ率が10.8%と高いのですが、逃げ先行率でみると42.2%と川田騎手ほど徹底的に先行しているわけではありません。日和見逃げ主義という感じで、相手関係や流れを読んで逃げるときには思い切っていくし、そうでないときは差しに構えるといった感じで騎乗のメリハリで勝負するタイプのジョッキーに見えます。
騎乗馬集めを見てみると、ノーザンF一口クラブからもマイネル軍団からも依頼があって、幅が広く、上手くリスクを分散した理想的なポートフォリオになっています。
ただ、関西馬が好調のバロメーターだったのですが、コロナ禍になって東西の交流が制限された影響なのか関西馬の供給が減っていたのですが、それも復活。
関西馬での勝利数
21年:12勝
22年:1勝
23年:16勝※10月15日まで
今年コロナが5類になったのが追い風になったかもしれません。
馬券での狙いのポイントは、津村騎手への乗り替わりで前走よりも人気を落としているケース。
JRAアプリリリースSのスノーグレース(11番人気2着)など前走で期待を裏切って人気落ちの馬が津村騎手に乗り替わったときの妙味が大きいと言えます。
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樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。