先週の京都2歳ステークスを制したのは、モレイラ騎手が騎乗したシンエンペラーでした。
凱旋門賞馬のソットサスの全弟という良血馬で、管理するのは矢作厩舎。来年のクラシックの主役となってもおかしくない存在で、今後の走りにも注目です。
矢作厩舎は、昨年のリーディングトレーナーで、今年も先週終了時点で厩舎リーディング2位。さらに、今年は世界最高賞金1000万ドルのサウジカップをパンサラッサで制するなど、世界を股にかけて活躍しています。
ただ、意外なことにJRAの重賞は京都2歳ステークスを勝つまで今年は未勝利だったのです。
今年の2歳のラインナップを見ると、シンエンペラー以外にも、ダートで2戦2勝のフォーエバーヤングやミスタージーティー、セレクトセールでにおいて4.5億円で落札されたホウオウプロサンゲなど楽しみな馬が多数揃っています。というわけで、来年は中央の重賞戦線も賑わしてくれそうです。
矢作厩舎の主戦の坂井瑠星騎手も、現在95勝で年間100勝達成目前とメキメキ成長していますが、今年の中央の重賞タイトルがフェブラリーステークスのレモンポップというのはややさみしいところ。
今週のチャンピオンズカップで2勝目を挙げる可能性もありますが、シンエンペラーの手綱がモレイラ騎手に任されたところを見ると、もっと「政治力」を強化する必要がありそうです。
矢作厩舎は、勝負掛かりの際に昔から外国人ジョッキーを起用する傾向が強い厩舎ではありますが、坂井騎手にはそういうレースでも任されるジョッキーに早くなって欲しいと期待しています。
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樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。