今回は、川田騎手に注目して見たいと思います。
先週時点での勝率が30.3%と史上初の3割ジョッキーの誕生が現実味を帯びて来ています。
昔から、川田騎手は騎乗馬を厳選して質を高める戦略を採っており、それが記録に残る形で実を結ぼうとしています。
ただ、今週末は土曜6鞍、日曜5鞍と川田騎手にしては騎乗数が多くなっています。
打席に多く立てば立つほど率が下がるリスクは大きくなるので、これだけの依頼を受けたことがちょっと気になりました。
リーディング争いでは、トップのルメール騎手に16勝差をつけられての2位。開催残り5日でこの差を逆転するのは難しいので、勝率3割を死守することに絞ると思っていたのですが、これだけのレースに騎乗するということは、まだまだリーディングも諦めていないのかもしれません。
ルメール騎手が勝ち星を量産する東京開催は終了。しかも、寒い時期は苦手としています。先週も14鞍に騎乗して1勝しか挙げることができていないので、今週、川田騎手が固め打ちをできれば逆転リーディングの可能性も見えてくるのかもしれません。
ただ、勝ち星を増やせずに終わるようなことがあれば勝率3割を切ってしまいます。2勝以上すれば3割をキープできますし、それくらいのハードルは川田騎手なら楽々クリアしてくれそうですが、競馬に絶対はないので何が起こるかわかりません。
勝率キープと逆転リーディングの両取りを目論んで勝負を賭けて来たのかもしれません。
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樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。