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競馬コラム

樋野竜司:今週の政治騎手

2024年04月05日(金)更新

【横山和生騎手】ルメール不在でもレースは引き締まる



前回のコラムで取り上げたルメール騎手は、ドバイターフで落馬し、鎖骨と肋骨を骨折する大ケガに見舞われてしまいました。
ドバイシーマクラシックのスターズオンアースとドバイワールドカップのデルマソトガケには騎乗できず、非常に残念な結果となりました。一日も早い復帰を願ってやみません。

春のGⅠシリーズ前のルメール騎手の離脱の影響は計り知れません。

今週の桜花賞では、有力馬の一頭であるチェルヴィニアがムルザバエフ騎手に乗り替わり。来週の皐月賞で騎乗予定だったレガレイラも北村宏騎手などの名前が代役候補として挙がっている現状。

このようにGⅠの有力馬に大きな影響を及ぼしているだけでなく、レースを引き締める存在がいなくなったという面も見逃せません。

そんな中、今回の主役は大阪杯を制した横山和騎手とベラジオオペラです。

レース前は逃げ先行馬が手薄と言われていましたが、GⅠで勝つチャンスがあるとなると、一発狙いで前に行く騎手も多くなるもの。予想以上に激しい先行争いとなった1コーナーでは、阪神コースの急カーブと上りが相まってペースが落ちる中、横山和騎手は好スタートから先手を主張し、2番手で1コーナーに入ると上手くペースを落としました。
しかし、横山和騎手も自身のレース後のコメントで述べていたように、ベラジオオペラは切れるタイプではありません。そこで、向正面でマクってきたローシャムパークの動きに合わせてロングスパート勝負に持ち込み、クビ差でローシャムパークをおさえて栄冠をつかみました。馬の特徴を把握した好騎乗だったと言えるでしょう。

先週の大阪杯は、ルメール騎手や川田騎手など多くのトップジョッキーがドバイに遠征していて不在でしたが、それでも締まった好レースを見ることができたのは収穫でした。

この先のGⅠ戦線も、見ごたえ十分のレースに期待したいですね。

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樋野竜司

HINO RYUJI

1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。

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