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競馬コラム

樋野竜司:今週の政治騎手

2024年04月12日(金)更新

【J.モレイラ騎手】高いモチベーション



先週からモレイラ騎手が短期免許を取得し、日本で騎乗を開始しました。

早速、土曜の阪神牝馬ステークスをマスクトディーヴァで制し、日曜の桜花賞もステレンボッシュで勝利。いきなりの大活躍を見せています。

ただ、それには理由があります。

今年、GⅠを2勝以上しないと短期免許の取得要件が満たせなくなってしまうため、今回の来日中にGⅠを2勝するのがノルマでもあるのです。
いきなり桜花賞を勝てたのは大きいでしょう。しかし、もう一つGⅠを勝たなければ条件をクリアできません。モレイラ騎手の腕を考えると簡単に思えますが、GⅠを勝つのは容易ではありません。とにかく、条件クリアのためにモチベーションは高いと思うので、今後も注目していきたいです。

今回は、モレイラ騎手の騎乗ぶりに注目したいと思います。

阪神牝馬ステークスでは、1番人気のマスクトディーヴァを勝利に導きました。
前走の東京新聞杯ではスタートで大きく出遅れ、人気を裏切る結果になってしまいました。今回もゲート内で何度も前に突進するようなしぐさを見せていたのですが、モレイラ騎手は事も無げに好スタートを決めて好位に付けたのです。
馬券ファンから見るとゲートが開いてからが騎手の腕の見せ所と思いがちですが、関係者からすればゲートが開くまでが重要です。関係者からも評価されるジョッキーとはこういう騎手だと示すことができたのではないでしょうか。
桜花賞でも、4コーナーで1番人気のアスコリピチェーノを外に弾くようにして進路を確保し、突き抜けました。コーナーで上手く馬を加速させ、遠心力を活かした巧みな騎乗ぶりが光りました。

モレイラ騎手は、短期免許でGⅠ2勝を目指すという明確な目標を持って日本に乗り込んできました。
その高いモチベーションと卓越した騎乗技術で、すでに重賞を2勝。今後のGⅠレースでも、どのような騎乗を見せてくれるのか大いに期待が持てます。

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樋野竜司

HINO RYUJI

1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。

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