レースは危険と隣り合わせだと分かっていても、最近立て続けに起きている見たくないアクシデントに、筆者も心を痛めています。
先週の福島牝馬ステークスでは、吉田隼騎手と木幡初騎手が落馬するという事故が発生しました。
裁決委員会の発表によると、3コーナーで馬群が密集する中、複数の馬のわずかな動きにより前の馬に接触したことが原因だったようです。
また、その後方を走行していた馬も転倒した馬に触れて転倒するなど、連鎖的な事故となってしまいました。
最近は、このような見たくない事故が多発しています。とにかく無事にレースが行われることを願ってやまないと同時に、アクシデントに巻き込まれた騎手の方々の一日も早い回復を祈らずにはいられません。
土曜の京都4Rでも、3着のカズアブディーンに騎乗した松山騎手がゴール入線後に馬に振り落とされてしまうというハプニングがありました。
そして、日曜メインのマイラーズカップを制したソウルラッシュは、本来松山騎手が騎乗する予定だった馬でした。土曜の落馬負傷による急遽の乗り替わりで、団野騎手が勝利を収めたのです。
勝利ジョッキーインタビューで団野騎手は、「松山さんが乗れなくなっていただいた依頼でしたが、結果で示さないといけないと思っていたと同時に、昨日も今日も落馬事故がありましたし、2週前の一番起きて欲しくなかった事故もあったので。今回はしっかり結果を出さないといけないと思っていたけど、まずは松山さんの容体が心配ですし、その他の方も大丈夫かなという思いが一番強いです」と神妙な表情で話しました。
競馬は魅力的なスポーツである一方、常に危険と隣り合わせであることを忘れてはいけません。騎手たちの安全を最優先に考えながら、競馬界全体でより安全なレースの実現に向けて取り組んでいく必要があるでしょう。
今週の競馬が無事に行われることを心から願っています。そして、事故に遭われた騎手の方々の一刻も早い回復を祈らずにはいられません。
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樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。