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競馬コラム

樋野竜司:今週の政治騎手

2024年05月17日(金)更新

【津村明秀騎手】大波乱の要因を改めて探る



先週のヴィクトリアマイルは、単勝208.6倍の超人気薄テンハッピーローズが勝利し、大波乱の決着となりました。鞍上の津村騎手にとっては、待望のGⅠ初勝利となりました。

津村騎手は、現在リーディングのトップを走る川田騎手と同期。競馬学校時代から騎乗技術の高さに定評があり、それは川田騎手も認めるところでした。
ジョッキーになってからの実績では大きな差をつけられていますが、このヴィクトリアマイルでの勝利が呼び水になって、さらなるレベルアップが期待されます。

結果が出たあとで後の祭りなのは承知していますが、波乱になった要因を整理してみました。

マイルのGⅠでは、スプリント能力も必要不可欠。出走馬の1500m以下の戦績を調べてみると、マイルよりも短い距離で勝ち鞍があったのはテンハッピーローズとウンブライルの2頭だけでした。
ウンブライルの勝利は新馬戦と7頭立てのオープン特別でのものでいずれもスローの競馬だったため、スプリント能力の証明にはなりません。つまり、スプリント能力を問われる流れになれば、テンハッピーローズの出番となる可能性があったのです。

戦前の展開予想では逃げ先行馬が手薄でスローになる公算が高いと言われていましたが、ゲートが開くと好スタートを決めたスタニングローズの外から岩田望騎手のコンクシェルがハナを奪おうと主張。その結果、テンの3Fが33.8秒、1000m通過が56.8秒のハイペースとなりました。この予想外のハイペースがテンハッピーローズには追い風になったのではないでしょうか。
加えて、1番人気のマスクトディーヴァは直線で詰まって進路を立て直す不利があり、2番人気のナミュールは出遅れるなど、上位人気馬が力を出し切れませんでした。

ハイペースになったことと上位人気馬の不利が重なったことが、今回の波乱を生んだ要因かもしれません。しかし、勝負事とは不確定要素が絡み合う中で正解を導くことが重要であり、単に運だけで片付けることはできません。冷静に馬の力を引き出した津村騎手の騎乗は称賛に値するでしょう。

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樋野竜司

HINO RYUJI

1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。

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