今年から地方の三冠レースに中央馬が出走できるようになり、3歳ダート路線が大幅に変更されました。
そして、ダート改革元年の東京ダービーを制したのは三浦騎手が騎乗した1番人気のラムジェットでした。
ラムジェットは、ヒヤシンスステークス、ユニコーンステークスと中央のダート巧者が揃うハイレベルなレースを連勝しており、実績も実力も1番人気にふさわしい馬ではありました。
しかし、馬券を買う身になると重箱の隅をつつきたくなるもの。連勝中とはいえ、レース内容を見ると毎回スタート一息で後方からの競馬を余儀なくされており、また、道中は鞍上がおっつけ通しで前向きさに欠ける馬だからです。
毎回末脚は素晴らしいのですが、道中の位置取りによっては間に合わないという可能性も考えられました。
しかし、ゲートが開くとそれは全くの杞憂でした。
そこまで先行争いが激しくならないとみるや、三浦騎手は3番手の好位置を確保します。勝負どころで前の2頭に置かれるところがあり、ラムジェットらしいところは見せたのですが、この位置で競馬が出来れば決め手の差は歴然。結果は直線で後続を離す一方で6馬身差の圧勝でした。
というわけで、三浦騎手の好騎乗も光った東京ダービーの勝利だったのではないでしょうか。
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樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。