先週の中京記念を制したのは、5番人気のアルナシームに騎乗した横山典騎手でした。
今年のダービーをダノンデサイルで制した同騎手は、、今回、自身が達成した最年長重賞制覇の記録をさらに伸ばしました。
先週はそれ以外にも50代のベテラン騎手の活躍が目立ちました。
日曜札幌メインのしらかばステークスは、横山典騎手(56歳)の1歳下の武豊騎手(55歳)がゾンニッヒで勝利。
日曜福島メインのジュライステークスでは、現役最年長の柴田善騎手が3番人気のショウナンライシンで2着。
さらに、日曜の小倉最終レースを制したのは、これがJRAのラスト騎乗となった56歳の小牧騎手でした。小牧騎手は、これでムチを置くわけではなく、騎乗機会の拡大を求めて古巣の園田に移籍します。
他の競技では50代になっても一線級で活躍しつづけるのは難しいでしょう。この背景には、競馬という競技の特性が大きく関わっていると考えられます。
騎手に求められるのは、単純な身体能力だけではありません。長年の経験で培った馬とのコミュニケーション、レース展開の読み、瞬時の判断力など、年齢を重ねるごとに磨かれていく能力が重要なのです。
さらに、ベテラン騎手たちの驚異的な自己管理能力も見逃せません。50代半ばになっても、体重管理や体力維持に努め、若手に負けない身体づくりを続けています。これは、彼らの競技に対する情熱と、プロフェッショナルとしての姿勢の表れと言えるでしょう。
最後に、簡単に横山典騎手の馬券的な狙いかたをまとめて締めたいと思います。
今年これまでの12勝中、芝で10勝、ダートで2勝。さらに継続騎乗で11勝、乗り替わり時は1勝なので、継続して騎乗してクセを知っている芝馬を狙えば的中確率は高まります。
平場よりも特別以上の上級条件のほうが回収率が高いので、先週のアルナシームは好走パターンにピッタリ合致する馬でした。
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樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。