先週の小倉記念を制したのは、川田将雅騎手騎乗の1番人気リフレーミングでした。
この勝利は、川田騎手の騎乗スタイルに興味深い変化をもたらした可能性を示唆しています。
従来、大半のレースで好位からの競馬を試みるので「徹底先行主義」と評されてきた川田騎手ですが、8月11日に挙げた3勝はすべて後方からの差し切り勝ちでした。
小倉記念でも、ハイペースを見越して控える戦法を選択しています。この一連の騎乗は、川田騎手の新たな一面を垣間見せたといえるでしょう。
もちろん、これらの騎乗は馬の脚質や馬場状態、レース展開を総合的に判断した結果かもしれません。しかし、先行有利とされる中京開幕週において、あえて控える競馬を選択したことは注目に値します。
近年、若手騎手の台頭が目覚ましく、多くが川田騎手を模倣するかのように積極的な先行策を取る傾向にあります。この状況下で、川田騎手は競馬のトレンドを先読みし、控える競馬の有効性を見出したのではないでしょうか。
川田騎手の柔軟な戦略転換は、彼の騎乗技術の高さと洞察力を改めて示すものです。常に進化を求め、状況に応じて最適な戦略を選択する姿勢は、トップジョッキーとしての真髄を体現しているといえます。
川田騎手の騎乗ぶりに変化があるのか、今週もその手綱捌きに注目です。
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樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。