先週の札幌2歳ステークスでは、佐々木騎手が騎乗したマジックサンズが勝利しました。
ハナ差の辛勝でしたが、4コーナーで外を回るロスもあり、抜け出して馬が遊ぶ面もあったことから、これから順調に成長すれば来年のクラシック戦線でも期待できる一頭になるのではないでしょうか。
佐々木騎手は、今年3年目の若手騎手。今年は70勝を目標にし、函館2歳ステークスをサトノカルナバルで制しており、これで早くも重賞2勝目と順調に成長中です。
今回はマジックサンズを所有するサンデーレーシングの若手騎手の起用法について掘り下げます。
というのは、サンデーレーシングを筆頭に、ノーザンF系の一口クラブは積極的に若手を起用しないイメージがあるところ、3年目のジョッキーにクラシックの期待がかかる馬を任せるというのは異例の大抜擢と思うからです。
ただ、重賞や特別では減量騎手に依頼しても減量特典は使えないので、上級条件で走る有力馬を多数抱えるオーナーだとそもそも減量騎手に依頼するメリットがなく、必然的に若手を冷遇しているように見えるだけで、本当はそうではないのかもしれません。
サンデーRの佐々木騎手への依頼数の推移を見てみると。
22年0鞍
23年5鞍(0勝)
24年10鞍(4勝)
※データは24年9月1日現在
特に減量特典を返上した今年の5月以降に依頼が急増しています。
減量特典のある騎手を起用するメリットがないのなら、早く減量特典を自力で返上することが、起用する条件の一つなのかもしれません。
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樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。