昨年の天皇賞・秋は、イクイノックスが1.55.2秒というスーパーレコードで圧勝し衝撃を受けたのですが、今年の天皇賞・秋も違ったパターンで凄い衝撃を受けました。
勝ったのは武豊騎手が騎乗したドウデュース。大外から豪快に突き抜け、上がり3Fのタイムは32.5秒という驚異的なものだったからです。見ただけで凄い脚を繰り出したとわかるのですが、数字にしたらもっと凄かったですね。
レースは、ホウオウビスケッツが1000m通過59.9秒という、馬場やメンバーの能力を考えれば超スローといってもいいペースで逃げました。
ホウオウビスケッツは後半1000mを57.7秒でまとめ3着に粘っています。そういう普通であれば前有利の流れを後方で折り合いに苦労しながら追走していたので、展開も最悪と言ってよかったのですが、それを跳ね返して、あの鮮やかな勝ちっぷり。
昨年もドウデュースとのコンビで天皇賞・秋に出走するはずだった武豊騎手でしたが、新馬戦のあと馬に蹴られるというアクシデントに見舞われて、急遽戸崎騎手に乗り替わることになってしまいました。昨年の悔しい思いも晴らす会心の騎乗だったことは間違いないのではないでしょうか。
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樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。