先週のマイルチャンピオンシップは、団野騎手が騎乗した4番人気のソウルラッシュが勝ちました。
印象的だったのは、鞍上の団野騎手のガッツポーズ。
勝利を確信してゴール手前にも関わらず立ち上がって左手を大きく挙げ雄叫びを上げたからです。これにより5万円の過怠金を科されることとなってしまったのですが、5万円払えば喜びを思う存分表現できるのなら安いものなのかもしれません。
気になるのはムチの使用による制裁のように、常習犯にはペナルティが重くなるのかということです。
次やったら過怠金10万円でその次は騎乗停止となるのか。団野騎手はGⅠレースを勝ちまくってその辺を検証して欲しいと思います。
レース後に公開された団野騎手のジョッキーカメラの映像からは、彼の冷静な判断力が垣間見えます。
直線で後続を振り切った後、まずターフビジョンで差を確認し、勝利を確信してからスタンド側に向かってガッツポーズを決めています。この一連の流れは、まるで事前に計画されていたかのような完璧な手順でした。
イメージトレーニングをゴール板までではなく、勝利後のパフォーマンスや勝利ジョッキーインタビューの受け答えまで用意するほうが実現可能性が高まるのではないかと感じましたし、団野騎手は普段から綿密なプランを練ってレースの望んでいるのではないかと感じました。
GⅠ初勝利の高松宮記念は、団野騎手のガッツポーズの利き腕が左手だったからなのかゴール板のほうを向いてのものになってしまったのですが、待望の右回りのGⅠでまさに理想とする形でガッツポーズを決めることができたのではないでしょうか。
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樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。