レモンポップが自身最後のレースとなったチャンピオンズカップで見事連覇を達成しました。
昨年と同じく逃げ切り勝ちを収めましたが、今回は2着のウィルソンテソーロをハナ差という僅差で退けての勝利となりました。
坂井騎手は直線で「がんばれ!」と声をかけながら最後の一歩まで馬を励まし、何とか逃げ切りを決めました。2着ウィルソンテソーロ、3着ドゥラエレーデという昨年と全く同じ着順は、ダート界の勢力図が一年を通じて大きく変わらなかったことを示しています。
レモンポップは、今年の南部杯でも連覇を果たしましたが、昨年の大差勝ちから一転して3/4馬身差での競り勝ちとなり、また今回のチャンピオンズCでも昨年の1馬身1/4差からハナ差に着差が縮まったことから、力の衰えを指摘する声も上がっていました。
しかし、必ずしもそうとは言えない要素もあります。
昨年は1800mへの距離延長に不安の声が多かったのですが、今年のレースでは昨年を上回るタイムと上がりを記録しています。昨年が1.50.6秒、上がり37.3秒だったのに対し、今年は1.50.1秒、上がり36.9秒と、わずかながらタイムを短縮。
距離不安のある馬が上がりタイムを短縮するのは通常考えにくく、むしろレモンポップは長距離での走りをマスターし、より効率的なレース運びを身につけたと解釈できるのではないでしょうか。着差の縮まりは、力の衰えというよりも無駄のない走りを会得した結果とも考えられます。
これからは種牡馬としての第二の馬生が始まりますが、その走りぶりと成績を考えれば、優秀な産駒を送り出してくれることが大いに期待されます。
「競馬成駿」はコチラ!


樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。