先週の阪神ジュベナイルフィリーズは、岩田望騎手が騎乗した5番人気のアルマヴェローチェが勝利しました。
これが岩田望騎手にとって嬉しいGⅠ初勝利。まだ24歳の若手。これを弾みに大きく成長するのではないでしょうか。
ただ、先週は香港で香港カップなど香港国際競走が行われていたので、川田騎手や短期免許で来日中のムーア騎手やマーカンド騎手が不在とジョッキーの層が薄く若手にチャンスの大きい一戦だったということはいえそうです。
ここで注目したいのはルメール騎手です。
日本に居残って阪神ジュベナイルフィリーズで1番人気のブラウンラチェットに騎乗したのですが、結果は16着と振るわず。
馬体重がマイナス12キロと減っていたので本来のデキになかったのかもしれないですが、菊花賞をアーバンシックで制してからはGⅠレースで精彩を欠いており、かつての圧倒的な強さが影を潜めています。
さらに、昨年川田騎手が年間勝率3割という史上初の偉業を達成。ルメール騎手も今年これまで勝率3割超をキープしていたのですが、先週終了時点で3割を切ってしまいました。
勝ち星は2位の川田騎手に32勝の差をつけているので、リーディングは当確といってもいいのですが、昨年の川田騎手に次ぐ年間勝率3割ジョッキーの称号については黄色信号。
川田騎手は、今年勝率29.9%とここからの活躍次第で2年連続の年間勝率3割を狙える位置。というわけで、注目すべきはルメール騎手と川田騎手の最高勝率のタイトル争いになりそうです。
ただ、ルメール騎手の元気のなさは気になります。最近の調子を考えると予断を許さない状況が続きそうです。
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樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。