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競馬コラム

樋野竜司:今週の政治騎手

2025年01月10日(金)更新

【藤岡佑介騎手】幸先のいいスタート!



2025年の幕開けを飾る中山金杯。アルナシームを勝利に導いたのは、藤岡佑介騎手でした。

昨年は彼にとって、人生を大きく揺さぶられる出来事がありました。だからこそ、この勝利は彼にとって特別な意味を持つに違いないでしょう。2025年が良い年となることを、多くのファンが願っております。

昨年、藤岡騎手は年明けから絶好調でした。
筆者は以前、斤量規定の変更が彼にとって追い風になると予想しておりました。以前のコラムで、「51キロ以下の馬に騎乗しないことから、藤岡騎手は減量に苦労している可能性がある。しかし、斤量規定の変更でおおむね1キロ増となったことで、騎乗の制約が減り、彼にとってプラスに働くはずだ」と述べました。
この予想通り、彼は2024年初頭から目覚ましい活躍を見せました。

特に印象的だったのは、2024年最初のGⅠレース、フェブラリーステークスでの勝利です。
11番人気の伏兵ペプチドナイルで見事勝利を掴み、2024年は藤岡佑介の年になるのではないかとさえ思わせるほどでした。
しかし、その後の4月6日、京都7Rで悲劇が起こります。実弟の藤岡康太騎手が落馬事故により帰らぬ人となってしまったのです。想像を絶する悲しみの中、藤岡佑介騎手は兄として気丈にレースに騎乗し続けました。しかし、その胸の内は計り知れません。

2024年の月別成績を見ると、その影響は明らかです。

1月:勝率18.2%、単勝回収率365%
2月:勝率15.6%、単勝回収率165%
3月:勝率11.8%、単勝回収率115%
4月:勝率8.3%、単勝回収率33%
5月:勝率8.2%、単勝回収率64%
6月:勝率9.6%、単勝回収率44%
7月:勝率14.0%、単勝回収率57%
8月:勝率15.6%、単勝回収率78%
9月:勝率5.9%、単勝回収率11%
10月:勝率6.7%、単勝回収率36%
11月:勝率5.0%、単勝回収率15%
12月:勝率7.3%、単勝回収率32%

4月以降、明らかに成績が落ち込んでいることが分かります。
これは、弟の事故が彼の心に大きな影響を与えたことを示していると言わざるを得ません。騎手という危険と隣り合わせの職業、そして大切な弟を失った悲しみ。様々な思いが交錯する中で、彼は多くのことを考えたに違いないでしょう。

藤岡佑介騎手の騎乗スタイルは、行くか控えるかがはっきりとした、メリハリのあるタイプです。
逃げた競馬で印象的なのはセキトバイーストで挑んだ秋華賞です。大外枠から果敢にハナを奪い、ハイペースで後続を大きく引き離す積極的な騎乗を見せました。結果的に失速してしまったものの、その果敢な姿勢は多くのファンの記憶に残ったことでしょう。
一方で京都大賞典ではスマートファントムで後方から追い込み、メンバー中最速の上がりを記録しています。このように、極端な騎乗スタイルも彼の特徴です。

安全な競馬を誰よりも願っているであろう藤岡騎手。逃げと最後方からの追い込みは、他馬への影響が比較的少ない騎乗方法とも言えます。もしかしたら、そういった思いも彼のメリハリの利いた騎乗に繋がっているのかもしれません。
苦難を乗り越え、再び走り出した藤岡佑介騎手。繰り返しになりますが2025年は1年を通して良い年にして欲しいと願ってやみません。

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樋野竜司

HINO RYUJI

1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。

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