先週の阪神大賞典を制したのは、池添騎手が騎乗した4番人気のサンライズアースでした。
昨年のダービー4着馬がようやくその実力を証明できたのではないでしょうか。
スローの逃げに持ち込んだとはいえ、ラスト1000mを57.8秒でまとめ後続を5馬身離した内容は圧巻で、底知れないスタミナを感じさせる走りでした。
今回は、その阪神大賞典で1番人気のショウナンラプンタに騎乗して4着に敗れた武豊騎手に注目したいと思います。
先々週の金鯱賞では、2番人気のデシエルトに騎乗し4着。中日新聞杯を58.8秒のハイペースで逃げて押し切っていたとはいえ、折り合いの難しい面もある馬で、その不安が露呈する競馬になりました。1コーナー過ぎから馬が口を割って行きたがる素振りを見せ、1000m通過が58.2秒という重馬場ということも加味すると無謀なペースになって粘りを欠いたからです。
ショウナンラプンタも折り合い面に不安がある馬で、最後方からの競馬を選択したのは折り合い面を考えてのことでしょう。直線猛然と追い込んでいるのですが、サンライズアースが逃げて圧勝する流れとあっては、4着まで押し上げるのが精一杯でした。
どちらもテン乗りで好走させるのが難しい馬であり、次に騎乗できるチャンスがあるなら修正をしてくるに違いありません。そういう意味で、武豊騎手とショウナンラプンタのコンビが天皇賞・春でどういうレースを見せてくれるのか楽しみになりました。
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樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。