前回注目したブドー騎手は、先週は3勝の活躍を見せてくれました。日曜東京5Rを8番人気のシャインアローで勝ち、日曜東京最終でも8番人気のチャンスメイクで2着するなど、穴での活躍も目立ち、馬券的にも頼りになりそう。インで脚を溜める競馬を徹底しており、「戦略力」も高そうな外国人ジョッキーです。今週も引き続き注目したい。
今回注目するのは幸騎手です。みやこSで1番人気のクリノスターオーに騎乗しましたが、5着と人気を裏切ってしまいました。ただ、直線の攻防が(クリノスターオーの前走の)シリウスSと酷似していたのが、印象的でした。武豊騎手が騎乗したサトノプリンシパルが逃げ、2番手に幸騎手のクリノスターオー、勝負どころで外から手応えよくマクって来たのが小牧騎手騎乗のナムラビクターという同じレースを見ているかのような並びだったからです。
クリノスターオーは、もまれ弱い面があり、外から被されると手応えが怪しくなる。シリウスSも、2頭に挟まれる形になって、手ごたえが怪しくなりました。しかし、そこから幸騎手の懸命のダンスに馬が応え事なきを得ましたが、下がったのが直線に向く前で挽回する余地があったのがよかった気がします。今回のみやこSは、直線に向いてから2頭に挟まれる形になったので、挽回できなかったからです。
ずーっとコンビを組んでいる幸騎手は馬のクセを熟知していて、弱点を露呈しないように騎乗していると思いますが、前回一緒にレースに騎乗していた武豊騎手も、小牧騎手も、クリノスターオーの弱点を把握し、そこを突いてきたような気がしました。
クリノスターオーの次走はわかりませんが、もしチャンピオンズCだとしたら、幸騎手はホッコータルマエとクリノのどちらを選ぶのでしょうか? クリノスターオーの鞍上が誰になるのか、そして次走どんな作戦で臨んでくるのか、とにかく次走が楽しみです。
【幸英明騎手の騎乗予定】
:土日ともに京都で計18鞍に騎乗。

樋野竜司
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。
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樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。